子育てとか渡仏とか。。。

日本人家族がフランスのパリで暮らした日々の記録です。

【仕事】銀座のマジックバーのアルバイト

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大学生の頃(もう10年近く前のこと!)、銀座のマジックバーでアルバイトをしていたことがあります。

と言ってもわたしはマジシャンではありません。お客様をテーブルまでアテンドして、お酒のオーダーを取って運んだり、簡単なおつまみを出したりしていました。(バーなのでお酒メイン。しっかりしたお食事はなく、食べ物はおつまみやスナック菓子のみでした。)

お店は薄暗くて落ち着いた大人の雰囲気でした。当時大学生だったわたしにとって、初めて見るバーという場所はとても刺激的な空間でした。普段は数組のお客様がデートで訪れたり、仕事帰りにふらっと立ち寄ったりする感じのお店ですが、パーティーなどで貸切の日もありました。プロのマジシャンの方が常に2〜3人いらっしゃって、お店のオーナーが司会をしたりお客様とお話ししたりしていて、バーテンダーの方が1人黙々とお酒を作り、わたしのような2〜3人のウエイトレスがお酒を運んでいました。

 

マジシャンはテレビで見るような有名な方もいらっしゃって、皆さん面白くて優しい方達でした。テーブルを回ってテーブルマジックを見せることもあれば、舞台に上がってお店のお客様全員に向けて観せるステージマジックもありました。ステージマジックが始まると、お客様は真剣にステージを見つめてお酒の注文が一旦減るので、その間わたしたちウエイトレスはステージの袖で待機して(ちょっとマジックのお手伝いしたりもする)いるのですが、この位置、マジックのタネがめちゃめちゃ見えるのです。

裏側を見る立場になって、「え!こんなことになってるの!!」と驚きの連続でした。とにかく言えることは、マジシャンの演技力は凄いということ。

よくお客様に、「ねぇねぇ、あのマジックのタネはどうなってるの?お姉さん知ってるんでしょ?」と聞かれましたが「側で見てても全然分からないんです!凄いですよね!」と笑顔で返していたので、わたしははぐらかすのが上手になったと思います。

 

一番記憶に残っているのは、坂東三津五郎さんのお誕生日パーティーです。歌舞伎役者の一族でご来店され、総勢30人ほどの貸切パーティーでした。

歌舞伎を観たことがなかったわたしは、ちょっと前に放送していた「うぬぼれ刑事に出てた人だ!」というくらいの印象でしたが、来店されてからお帰りになるまでずっと笑顔で物腰も柔らかく、家族にお誕生日をお祝いされる可愛らしいお父さんという感じでした。当時おそらく50代だったと思いますが、とても若々しかったです。

 

寒い時期だったので来店時に皆様からコートを受け取ってクロークに預けるのですが、わたしにコートを預ける時に皆さん「ありがとうございます!」「今日はよろしくお願いします!」と目を見て言ってくれるんです。小さい子供からおじいちゃんおばあちゃんまで、本当にみんな!

小学生の子達も数人いたのですが、彼らの言動を見ていると育ちが良いんだなと素直に思いました。わたしに対する接し方とか、可愛いのだけれどきちんとしている感じ。

どういう育て方をしたら良い子に育つのか、子供を持ってからより考えるようになりましたが、やっぱり親がお礼を言えば子供もお礼を言うし、親が良い人であれば子供もそんなに極悪人にはならないのではないかなと思います。というかそう願います。

親以外の影響ももちろんあるので、親がちゃんとしていれば子供もちゃんと育つとは言い切れないのですが。子供を良い子にさせようとコントロールするのではなくて、まずは自分を律しなければいけないなと思いました。子供が親に目を向けてくれている内は特に。

 

マジックバーでのアルバイトは楽しいことばかりでした。(時給も良かった♡)

エンターテイメントにお金を払って楽しむこと自体、余裕がないとできないことですよね。ディズニーランドとかもそうです。こういうエンターテイメントに接する経験が、子供たちの心も豊かにするのだとしたら、やっぱりお金はあった方が良いよなぁと。この記事を書きながら今改めて思いました。

 

頑張ろう♡